2007年04月13日

写楽

推理小説ではないんですが、「写楽百面相」という本を読みました。
江戸の絵師写楽を巡る時代小説です。
推理小説好きの私には、写楽が誰であるかを探す主人公が探偵で、犯人当てっぽい話だなぁという印象です。
古本屋で本のあらすじをみて、
「江戸の文化と粋を描き」
というフレーズが気に入って、中を見てみたところこんなセリフから始まっていました。

「ねえ、二三さん、酔っていなさるのかえ」

ん~いいですね。これにガッツリ心を掴まれました。

「・・・・・・いいねえ。呑気らしくて」

呑気らしくて。のんきは人物のキャラクターを示す言葉なんでしょうか。いまでいう「のんきな」っていう意味とは明らかに違う使い方。


そういう細かな部分の魅力とは別に写楽に関する魅力がある本なんですね、これは。

読み終わってから分かったことなんですが、
というか写楽って聞いたことあるけどなんだっけ程度の知識なのでまったく知らなかったんですが、
写楽が江戸で活躍したのはほんの1年程度だったんですね。
その前も後も謎で、人物像さえもほぼ謎な人だったらしい。

そんな歴史上のロマンのような写楽に対する作者の想い溢れる作品だったんです。

歴史という現実でありながら分からないことっていうのは、解明したくなるのが謎好きなんですね~。
色んな研究者が研究してもはっきりしたことが分からないのに、謎解きなんてできるはずないんです。でも解けない謎ってのはそれだけでロマンですよ~~。



次の本は「檸檬」
あらすじ欄には「昭和文学史上の奇蹟」と書かれています。
さらに「特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品」と書かれています。

短編集なんですけど、とにかく内面的な話のようです。
最初の檸檬しかまだ読んでないんですが、
わけ分からない描写が続く中で、なぜか感覚的には共感するんですね~。
感じることのみにひたすら重点を置いてそれを伝えようとしているように感じます。

まだまだ読み始めたばかりでここまでインパクトのある作品はなかなかないだろう、と思います。
こっからが非常に楽しみですね!






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